本格的な冬に入る前に、今季は何を着るか、考える。
田舎に住んでいると、冬の寒さが、街のそれよりも厳しく感じる。
夏の衣服と打って変わって、冬の衣服は寒さから身を守るための装備になる。
その田舎の寒さをしのぐために、とにかくあたたかくて、着心地がいいものが着たいと、毎年、思っている。かっちりした服よりも、動きやすくて、疲れない服がいい。
それで思い出したのは、以前住んでいた街で、よくみかけた、毛布を羽織ったおじさん。いつか、毛布で服をつくってみたいと思う。
本格的な冬が到来する前に、ニット生地で常備服をつくろうと思いついた。
ハイネックで、オーバーサイズの、あたたかいニット。
久々に洋裁CADを起動する。以前製図した、羽織りの型紙を応用して、上のスタイル画の型紙を描いてみよう。
今夏アップデートされた洋裁CADには、新しい便利な機能があるらしい。起動するとトップページもリニューアルされた感じの装いだ。
今回は原型から製図するのではなく
すでに出来上がっている羽織りの型紙を変形、変更して、上記のハイネックセーターの型紙に仕上げる。
原型から製図するよりも、時間を短縮できる。という理由もあるけれど、今まで自分で作ってきたオリジナルの型紙が、別の型紙を作るときにどれくらい応用できるのかを試してみる機会にしたかった。
あくまでもベースになるフォームは崩さずに、いくつかの部分の数値を変える、というスタンスで、やってみることにする。
①ベースになる羽織りの型紙を開く。
開くときは、外部ファイルとして開くか、普通のファイルとして開くか、という疑問があるが、今回は、普通のファイルとして開いた。外部ファイルとして開けない理由は、寸法の変更ができない、ということがある。
そもそも
ベースとなる羽織りの型紙には、寸法を規定するための外部ファイルがすでに存在している。
仮にこの羽織の型紙を、外部ファイルとして開いた場合、寸法規定の外部ファイルは、外部ファイルの中の外部ファイルという位置づけになる。
外部ファイルの外部ファイルは上書き定義や、デザイン変更をすることができない。
なので寸法を変える必要がある場合は、普通ファイルとして開かざるを得ないということになる。
さて、普通ファイルとして開いた羽織の型紙。
まず、背丈の長さを変更する。変更する場合は、要素をクリック→デザイン変更で簡単にサイズを変更できる。
②前身頃の首回りを広げる
下の黄色く塗った部分をカットして、ゆるやかな首元のカーブを描く
【操作】
1、前身頃の中心線上に点を置く
2、肩線上の点と、上記で置いた点を、滑らかな曲線で結ぶ。
これで身頃の変形は終わり。次は、袖とハイネック部分の製図。
ここで、洋裁CADの新しい機能が力を発揮してくれる。
袖や襟といった部分は一度製図した型紙を、部品ファイルに保存しておけば、いつでも他の型紙に応用できる、ということ。
具体的には、外部ファイルとして、袖や襟のファイルを呼び出して、サイズだけ変更するということが、出来てしまうのである。
②につづく