【ロックミシン】差動送り、とは?1

洋裁について、ほとんどなにも知らないけれど、とにかく服をつくってみたい。

という欲望だけで、ミシンを購入して、1年ほど経ったころ、ロックミシンの存在を知った。

 

中古のロックミシンを探し始めた頃、以下の条件がすべてそろったロックミシンは、中古でさえも、価格的に手が届かないことがわかった。

 

4本糸2本針

自動糸調子機能あり

自動糸通し機能あり

かがり幅の調節ができる

 

これらの機能がすべてそろった、新品のロックミシンって、一体いくらぐらいするんだろう、と思いながら、中古で、安く、部品が頑丈で、壊れにくそうなものを、探した。

 

個人が売買できるサイトで、150€以下で探してみると、でてくるのは、3本糸1本針のロックミシンがほとんどだった。

 

あきらめかけたころ、120€で、4本糸2本針のロックミシンをみつけた。最初に想定していたすべての条件のうち、当てはまるのは4本糸2本針という条件のみ。仕方なく、他の機能はあきらめる。

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電動ロックミシン Brother 546D

年代は不明。中古ロックミシンは、糸かけが大変、糸調子の調節が大変、などの声をきいていたので、この糸かけの仕様をみたとき、それほどのショックはなかったけれど、

 

聞きなれない機能がついていることがわかった。

差動送り、という機能だ。

 

差動送りという機能については、その存在すら知らない。

そもそも差動送りとはナニがどうゆうときに調節するものなのか、この言葉自体がなんだか不思議な貞操をおびている、よくわからない。

 

という疑問を残したまま、

 

ロックミシンが手に入ったよろこびに浸って、裾をかがりまくっていた。

 

そしてある日、うまくいかないことが起きた。

あまりにも悲惨な、縫い目。

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縫い途中に、下ルーパー糸が切れるというトラブルも発生

薄くてストレッチ性のある布を縫うと、こんなことになった。各々の糸の糸調子を変えて縫い直しても、ほとんど同じ結果になってしまう。

 

そこで、差動送り

という、あの得体の知れない機能を思い出すこととなった。

 

説明書を見ると、差動送りの調整について、書いてある。

 

1.差動送りレバーを1.0~0.7の間に合わせた場合

主に薄い布を縫う時に有効

 

2.差動送りレバーを1.0に合わせた場合

主に通常の布を縫う時に有効

 

3.差動送りを1.0~2.0の間に合わせた場合

主に伸縮性のある布を縫う時に有効

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ミシンの横についている差動送りレバー

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出典:NOTICE D'UTILISATION HOME LOCK modèle 546D Brother

 

とにかく説明書の通りにしていれば、うまく縫えるはずなわけだが、今回わたしが縫おうとしているのは、伸縮性のある薄い布

であるため、1も3も当てはまってしまう。

 

そこで、差動送りをどの数値に設定したらいいのか、実験してみる。

 

実験で使う布は、さきほどの伸縮性のある薄い布

この布は、一方方向にしか伸縮しない。

 

実験では、この布を4枚小さく切って使う。

4枚のうち、2枚は上下伸縮し、2枚は左右伸縮するように、裁断した。

 

ロックミシンの糸調子は以下の数値で固定した。

針糸2.5

ルーパー上糸3.8

ルーパー下糸3.8

 

布1:布が上下に伸縮する場合で、差動送りは1に設定

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布が波打つ。縫い目が、がたがた

布2:布が上下に伸縮する場合で 差動送りは2に設定

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布の波うちはないけれど、布の端がちりちりになった

布3:布が左右に伸縮する場合で、差動送りを1に設定

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布端のちりちりがなく、波打ちもない

布4:布が左右に伸縮する場合で、差動送りを2に設定

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若干、布が波打つ。

結果:一番きれいな縫い目になったのは布3

布が左右に伸縮する場合で、差動送り設定は1

 

薄くて伸縮性のある布は、扱いづらいことは間違いない。でも、肌着やパジャマをつくるにはいい肌触りで、伸縮するので、便宜性もある。

 

しかも、伸縮率がかなり高い布だ。仮に3センチの布を伸ばした場合、最大8センチまで伸びる。

 

こうゆう布はミシンで縫いづらい、といわれているが、実際ミシンで縫ったら、

あれ?わりに問題なく縫えた。

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ポリエステル40%、コットン60%の糸を使用。ミシン針は、薄手生地用。

むしろ、ロックミシンで縫う時の方が、神経をつかったような気もする。

布というのは、以外と縫ってみないと、わからないものなのだな。

 

追記:実験でかがった布は4枚とも1枚布。後日、同じ布を重ねて2枚にして同じ実験をしたところ、布が左右に伸縮する場合で、差動送りを2に設定したときが、一番きれいな仕上がりになった。