編み物の習作コレクションをつくるメリット
習作コレクションとは
編み物で試し編みというと
スワッチとかゲージとか
いろいろな言い方があるけれど
多くの場合
使用する毛糸の仕上がり感や
目の数を確かめるため
の試し編み
として認識されている
だから、編み物本の最初には
必ず
ゲージの編み方というのが載っている
今回は
便宜上つくらなければならない
これらのゲージ
ではなくて
習作コレクションとしてのゲージ(スワッチ)
をいくつか紹介したい
これら、習作としての
スワッチを編むメリットがあるとしたら
それは
編み物作品をデザインするための
有意義なステップになるから
ということができる
エチュードの重要性
エチュード(〈フランス〉étude). 1 美術で、絵画・彫刻制作の準備のための下絵。習作
わたしは編み物を独学していて
どのように
自分で編み図(編み物の設計図)
をデザインできるようになるか
と考えるようになった
自分で編み図をつくるには
もちろん
編み図記号が表す基礎の編み方
を理解する必要がある
基礎の編み方だけでも数十種類あり
編み方と編み図記号をセットにして
覚えていくと
編み図をみながら編む作業が
かなり楽になる
さて、
それらの基礎と並行して
習作のコレクションを築くことは
なにに繋がるか
習作は
コースター程の大きさの
試作
で
いわば、編み模様の
サンプルだ
これを自分の手でつくることで
設計図(編み図)の成り立ちを
具体的に理解できるようになる
例えば、縄編みの場合
一見、同じ模様であっても
細かな設計図の違いで
模様のでかたに
ニュアンスがでてくる
縄編み1
縄編み2
上の縄編み1と縄編み2の
設計図(編み図)を
見比べてみると
縄編み2の方の設計図は
やや複雑に設計されており
この細かな仕掛けによって
縄の浮き出方に
独特の立体感が生まれている
このように
自分の手で編んだスワッチと
その設計図を交互に見渡していくことで
ああ、ここにこうゆう仕掛けがあったんだ
という発見ができる
ということだ
気軽に取り組めるスワッチ
その規模の小ささというのも
このエチュードの理念に含まれる
ひとつのポリシーである
コースターくらいの大きさだから
うまく編めなくてボツ
思い描いた模様がでなくてボツ
と次々に
つくっては溜めたり捨てたり
が可能なのだ
これは
ひとつの編み物作品
セーターや靴下
なんかをつくるよりも
かなりラフな感覚で
取り組める
いってしまえば
編み物につきまとう、あの、誰もが体験する
間違えたから全部
ほどいてやりなおし
のトラウマからは
完全に解放されている作業なのである
自分の手で探る=編む
自分の手で探る=編む
ということを念頭においた
エチュードは
編み物がどのようにデザインされているか
1本の糸がどのようなロジックで
立体になっていくか
という概念的な理解が
手を通して学べる
という側面もある
この手を通して学ぶ
というのは
言い換えれば
車の運転のようなもので
ここにこれくらいのカーブがあるから
すこし緩く編む
とか
このくらいきつく編むと
この毛糸は表情が硬くなる
とか
身体的に身に付けていく
技のようなもの
という風に捉えることもできるのだ