とても普通のタートルネックです。
これができるまでのイメージ図と型紙の紹介、創作過程で難しかったことをかいてみます。
原案
もともとはこの手書きのデザインからはじまった。
寒さをしのぐための普段着に
庭仕事をするときの作業着に
冬のサイクリング時の自転車着に
ゆったりと着れるタートルネック。
デザイン画をもとに、洋裁CADで作成した型紙を、縮小して印刷したのち、組み立てて、形をチェックしたところ、ネックにあたる部分にかなりの修正が必要になった。
洋裁CADは型紙完成までが長い道のり
洋裁CADは、使いこなせるようになればなるほど、その機能を発揮してくれる、超超超便利なソフト。わたしのようなびんぼう独学者にとっては、ただただありがたい洋裁のおとも。
しかし、立体で洋裁を勉強していないわたしにとって、平面でのパターンメイキングは、常に不確かな数値との葛藤。
ここの袖山の高さ、これくらいにしたらいいのかな?
脇の下の余白はこのくらいのこしておく?
伸びる生地の首回りの長さって、これくらい短くしとけばいいの?
洋裁CADでは、「数値化するための問い」が多い分、時間を費やしてミリ単位で変わる、精密なデザインをつくることができる。
ただ、今回は、すぐ作ってすぐ着たいという思いを優先して、精密に型紙をつくるのではなく、かなり大胆に型紙をつくってしまった。
イメージ図
まず、マネキンに完成図を着せて、どんなイメージになるか、確認。使用する生地のボーダーが、身頃同士で自然につながるように、柄合わせも同時に行う。
原案とはだいぶ雰囲気が違うのだけれど、仕方ない。
生地は硬くて分厚い生地がいい
防寒着としては、とにかくあたたかいに越したことはない。今回は、分厚いフェルト生地を使用した。田舎の蚤の市で、布団コーナーに埋もれていた、とても重たい生地。
着てて重いのは、馴れているからいいとして、気になるのは、縫う時の生地の厚み。
今回は、すべてロックミシンで組み立てていくつもりなのだが、さて、この厚みはロックミシンの押さえの部分に入ってくれるだろうか。
フリーハンドでもつくれる型紙
正確にいうとフリーハンドではない。以前作った羽織の型紙を、簡略化した。
①身頃と袖をつなげる
②ネックの部分のフォルムの曲線をすべて直線に変えた
カフスをつけて袖口を広くする
かなりメタボなカフスになるけれど、これは、外せないポイントになる。
自転車に乗った時にハンドルを握る手が、半分隠れて手が寒くない
時々カフスを外側にまくればちょっとしたデザイン心のきいたタートルネックに
袖口が広がると、お腹回りが細く見える
シルエット
横からのシルエットに重点をおいたためか、正面のシルエットはあまりきれいにでなかった。 型紙の肩まわりを、もうすこしシャープにしてもよかったかもしれない。
分厚い生地でシルエットを引き出す
タートルネックの部分は、耳までかくれる高さと、肩線まで届く横幅にして、オーバーサイズ感を強調。 硬くて厚い生地だからこそ、崩れないフォルムができた。
扱う生地事情
フェルト生地
ロックミシンの押さえに押し込んだ生地は、ぎりぎり押さえに入ったものの、縫い進めていくのは一苦労。
生地はしをペンチでつぶして、少しでも平たくしようと、試みたものの、フェルト生地は、つぶれなかった。
リブ生地
カフスとタートルネックの裏地に、伸縮性のあるリブ生地を使用した。難点は、伸びる生地と伸びない生地を縫い合わせるときの、生地の進め方。
リブを伸ばしながら縫うのが基本だが、あまり伸ばしすぎると、見た目的に、ひきつった様になって、せっかくのオーバーサイズ特有のゆとりが失われるような気がする。