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【服づくり】想像と失敗を駆使して、技術を身につける。動画よりも有益かもしれない技術本をつかった服作り独学法

さて、前回は、

 

服作りで大事なこと、失敗と想像の体験の重要性

 

について書きました。

 

atelier-hagire.com

この記事では、その具体的なやり方、

 

独学で服作りをいちから学ぶときに、

 

手と頭の両方を駆動させて、つくり方を覚える

 

という目的にアプローチするステップを紹介します。

 

 

 

試作は創作のはじまり

 

まず、服の型紙を引いたり、縫製にとりかかる前、なにかを作り始める以前に、わたしがやることは、

構想している服に付属しているピースのサンプルを作ることです

ディテールの把握から入っていった方が、

 

そのあとに型紙を引く上で、全体を構成しやすいからです

 

さて、このピースのサンプルを作る時に、どうやって情報収集をするか。

 

特に初心者や独学者の場合、

インターネットで調べて何かしらの情報が出てくるのですが、

 

そのやり方が本当に自分の手で何かを学びたい時の目的に合っているかは疑問です。

 

個人的な経験から言うと、

もし正確さと効率だけを追い求めてピースのサンプルを作りたい場合は

動画を見ながらやる方法が一番手っ取り早いと思います。

 

パソコンを横に置いて動画を先生代わりに作業を進めるやり方です。

 

しかし、この方法には多大なストレスがかかるわりに、

 

技術が自分のものにはならないという問題があります。

 

なにで学ぶか

 

具体的にストレスを思い返してみると、

 

実際に何もわからないうちに

 

動画だけで完成を目指すということをやったことがあるんですが、

 

まず、ただ動画の真似をするというのは、相当エネルギーを使う。

 

上手な人の芸を一発でコピーしようとしているのと同じことです。

 

また、これをやれば必ずうまくいくという確証があるので、

どうにかこうにか頑張る。

 

しかし、この確証は逆に

回り道をさせてはくれないという

最大の欠点があります。

 

動画で何か技術を学ぼうとするということは、

 

その時点では一通りできたとしても、

 

手に残るものは非常に少ない。そこで考えました。

 

頭から動画と同じように何かを作ろうとするのではなく、

 

動画はあくまでも二次的、三次的な技術の習得において、

 

使う方法として位置づけた方がいいのではないか。

 

動画から突然始めるのではなく、

 

その前に何かワンクッションが必要になる。

 

そのワンクッションというのが、

 

今回紹介する技術書を使った服作りの学び方です。

 

技術本とは

 

技術書というと少し堅苦しいイメージがありますが、

ちょっと難しそうな洋裁本という感じです。

 

そのちょっと難しい洋裁本をまず最初に開いてみる。

動画を見る前にまず最初に開いてみる。

 

技術書のいいところはピースごとに解説が完結するので、

ピンポイントで作りたいものを抽出できるところ。

 

今回の場合は台付きのシャツカラーです

 

では今回台付きのシャツカラーのピースを作るために使った2冊の本を紹介します。

この2冊を用意しておけば、かなり幅広い洋裁テクニックを

 

自分のものにすることができる

 

といってもいいかもしれません。

 

1冊目は「洋裁の技術本」です。

洋裁本
洋裁本

この本は300ページにわたる洋裁マニュアル

洋裁の様々なテクニックについてステップごとに説明されています

 

特徴は、2000枚の写真を使って

かなり細かいステップを写真で紹介しているところです。

 

また、洋裁に関する全てのテクニックを網羅しており、

マイナーなものから一般的技術まで、

この1冊で全てまとまっています。

 

基礎から応用まで全て書かれているので、

好きなページから自由に基礎や応用のテクニックを学ぶことができます。

 

作りたいものをピンポイントでピックアップし、

その技術を詳細に学ぶことができるのがこの本の特徴です。

 

 

2冊目は「エスモードの型紙のパターンメイキングの本」です。

エスモードの教科書
シャツカラーの型紙が載っているページ

 

この本は型紙の引き方にフォーカスした教科書ですが、

これを1冊持っておくと、ピースを作りたい時の型紙がすぐに手に入ります。

 

自分で引かなくても、この教科書に載っている型紙をコピーすれば

ピースを作ることができるので、

時間を短縮できます。

 

目的の再確認

 

今回、技術書を使ってピースを作る目的は、

まず手で一通りの流れを覚えることです。

 

何も見なくても自分で作れるようになることを目指しています。

もう一つは、そのピースの構造を自分の目で確かめることです。

 

型紙については今回は扱わないというか、

他の作業で型紙の引き方を学ぶ機会がありますので、

型紙を引く作業を短縮します。こういう教科書にはピースの型紙が実寸台で載っている確率が高いです。

(シャツカラフなどの小さなピースは特に)

 

さて、この時、自分が作りたいモデルと全く同じ型紙を選ぶ必要はなく、

台付きのシャツカラーであれば、襟の形が丸いか尖ってるかなど、

細かいディテールは気にせずに選んでも大丈夫です。

 

次回の記事では実際にこの2冊を用いて

ゼロから台付きシャツカラーをつくったときの記録と

 

どんなことに気を付けて作業を進めていくか

どのようなフィードバックが必要になるか

 

の2点を記していきます