チュチュをつくります。
発表会で着用するチュチュの製作の依頼です。
実際に上の写真のようなチュチュができました。
なるべく材料費をかけずに、モデルの体に合った、思い通りの形のチュチュができるように、いろいろ工夫しました。
チュチュの構造理解、生地えらび(その1)
採寸、裁断(その2)
下準備と縫製(その3)
の三部にわけて、チュチュができるまでの工程を書いていきます。これからつくる!という方々に少しでも参考になれば幸いです。
デザイン
チュチュにはいろんな形がある!
今回のチュチュの形は、依頼のときからすでに決まっていました。まず、この写真が、完成イメージデザインの土台になります。
デザインの特徴
①浮き輪型のチュチュが腰の部分についている
②動いてもチュチュの裾が垂れない
③丈の長さは短め
④ボディとスカートの境目のラインがない。(ベルトがない)
初見のポイントを書きつけました。
さてさて。
こんなものほんとうに、つくれるのか???
ボディの上からはけるチュチュ
依頼の段階でもうひとつきいていたことは、ボディはすでに持っているので、チュチュの部分だけ作って欲しい、ということ。
ボディとチュチュが一体化しているタイプ
イメージ写真のチュチュはボディとスカート(チュチュ)が一体になっています。
しかし、依頼は、赤枠で囲った部分だけを製作してほしいというものです。
はき脱ぎ可能なチュチュ
最初は、持っているボディに直接チュチュを縫い付ける、という方法も考えましたが、
ボディそのものの形が崩れることになるので、この案は却下となり、
ショーツつきのチュチュをつくることになりました。パンツがついたスカート、ということです。
調べたところ、このショーツつきチュチュのショーツとチュチュの部分にはそれぞれちゃんと名称があるようです。
ショーツの部分→ツン
チュチュの部分→ボン
ツンを市販のパンツで代用
材料費と時間の節約
市販の真っ白いパンツを買いました。とくに何の変哲もないただの真っ白いパンツです。絵柄やレースが入ってないものを選びました。
ボディの色と同色を選べば、チュチュとボディが一体化したような雰囲気を出すことができます。
市販パンツの利点
値段
ツン(ショーツ)を手作りするとなると、もちろん生地が必要になります。生地屋さんに行って、主にレオタードなどに使われるエラスタン素材が入った生地をみてみると、それは普通にパンツを買うより、高いです。
製作にかかる手間
もうひとつの理由は、仮に生地を買って、体に合ったショーツをつくるにしても、それは簡単な作業とはいえない、ということがあります。
伸縮性のある生地を扱う場合、その生地の伸縮度によって、フィット感が違ってきます。
今回のチュチュの場合、お尻に、しっかり、ぴったり、フィットするような生地選びから、採寸、型紙おこしまでをする必要があります。もしこれをしくじると、だいぶ不格好なチュチュになってしまいます。
パワーネットではどうか
ツンにはパワーネット生地が使われるということが書いてある記事がありました。もちろんこの生地も伸縮性があり、ショーツやスリップなどには向いているのですが、
透ける
というリスクがあります。
チュチュは臀部を隠さない
今回のチュチュのデザイン、臀部の部分にはチュチュが縫いつけられていません。
まさに、浮き輪だけを腰の部分にはめた状態で、これは臀部が丸見えになります。
透けることがリスクになるのが、この臀部の部分です。ボディの上からさらにツンを履いているという状態が臀部でわかってしまうと、少し残念です。
ツンは、透けない生地で、ボディーの臀部をしっかり隠してくれる生地を選ぶと自然な仕上がりになると思います。
コットンの市販パンツ
そこでコットンの真っ白い市販パンツがいい役割をしてくれます。伸縮性のある白いコットン生地を選びました。
ショーツは基本的に伸び縮みする生地が使用されているので、この部分においては特に迷わずに選べると思います。
サイズは小さめのものを
気を付ける点はサイズです。
通常のサイズよりひとまわり小さいサイズを選ぶのがポイントです。
例えば、今回製作したチュチュを着用するモデルの子は6歳Mサイズが、通常着用している既製服のサイズですが、
ツン用のパンツは、4歳Mサイズをつかっています。
アンダーウエストで履くために
今回のチュチュのデザインの特徴ではずせないのが、ボディとチュチュの境目がどこにあるか、ということです。
先ほども記した通り、浮き輪をはめている部分は、腰です。お腹ではありません。
いわゆる、ハイウェストかアンダーウェストかということです。
今回はアンダーウェストではくチュチュです。チュチュが腰からはじまるためには、下に履いているショーツ(ツン)も腰で履いていないとなりません。
ひとまわり小さいサイズを選ぶことによって、この腰はきが可能になります。
チュール選び
触って選ぶ
チュールは、とにかく硬いチュールが向いています。デザインからもわかるように、スカートが重力と真逆に、跳ね上がっています。
柔らかいチュールではこの逆さスカートのようなフォルムを表現できません。柔らかのせいで、裾が垂れ下がり、バルーンスカートのような形になってしまいます。
では、この硬さは、どうやって選ぶのか。
今回わたしは生地屋さんに行って直接触って選びました。それが一番安心だからです。
生地屋さんでは、「ハードチュール」という名がついています。
100パーセント ポリアミド
今回選んだ生地の素材は100パーセント、ポリアミドでした。
ソフトチュールと触り比べてみるとわかるのですが、ハードチュールは肌触りが少しチクリとします。直接肌につけるものではないという感じです。
次回は、チュチュをつくろう、その2、採寸と裁断です。
チュールを購入する際の必要なメートル数もここで決まります。