MENU

【独学で知識と技術を身につけるための洋裁本のえらび方】 ひとりぼっちの洋裁独学者が本当に頼りにできる洋裁本とは

ひとりの女性が図書館で本を読んでいる姿


洋裁学校の教材は、なにをおしえてくれる?

 

本格的に洋裁を学びたい、教科書は本当に役に立つのか

 

ひとりぼっちの洋裁独学者にとって、特に、独学をはじめたばかりの

走り出しの頃は、

 

「どんな洋裁本を買えいいのか」

という疑問は、

結構、 深刻な

切実な疑問だった。

 

東西南北、 近代の洋裁指導が確立されてから、

学校、教室では、主に、教科書を中心に、

技術指導がなされてきたと想像すれば、

 

1番てっとり早いのは、

学校の教科書を購入して、

その内容に沿って、忠実に、基礎を、固めていくことが

ひとりぼっちの洋裁独学の

無難な学び方だと考えた。

 

そこでさっそく、 ESMODの、学校指定教材になっている、

テキスト一式を 購入して,

洋裁の学校のテキストって、一体どんなものなのか、を

さぐってみた。

 

esmodのパターン製図の教科書

 

洋服に前身頃と後身頃があることさえ知らないかけだしの独学者にとって

学校教材というのは

良くも悪くも、

 

洋裁の情報的側面しか提示してくれない

 

例えば、 ESMODの教科書の場合

教科書の出だしからスカートの製図をはじめるのだが

これが、 こんな内容である。

 

ダーツとサイドカーブの計算と配置:図2

 

ハーフウェストの算出:ここではサイズ38で33.5cm

ただし、 CDは47.5cm

したがって、余分な分量とすでにあたえられたダーツの分量から

サイドカーブの長さを算出する

ダーツの分量センターバック 1cm バック3cm正面の1番目のダーツ22m 正面の2番目のダーツ2cm合計 8cm

余分な分量14cmダーツ分量 8cm14-8= 6cm

したがってサイドカーブに使用できる分量は6 cm

この値の半分を同じようにFの両側に配分する

ポイントIとIIからサイドカーブをヒップラインまで描く

完全に同じ長さのカーブをウエストライン数ミリを越えたポイントまで伸ばす

 

教科書は製図のプロセスを、

順序 だてて論理的におしえてはくれるが、

 

計算とプロセス以外のことは、何も提示してくれない。

 

これは独学者が出端を挫かれる要因のひとつで

特に、なにからはじめたらいいか迷っているときに

教料書の内容の習得を目標にしてしまうと

 

肝心の,

  • 手をうごかすことの楽しみ
  • 失敗するための機会
  • 上達のためのモチベーション

などがないがしろにされて、

せっかくの、独学の入口にある、

 

" どうにかこうにかして服をつくりたい"

という野心が、つぶれてしまいかねない。

 

実際に

野心がつぶれかけた経験をして

 

 

この、教科書の存在というのは

洋裁の入門としては

あまり頼りにならない

 

 

という結論に至った

 

 

でも、 教科書がおしえてくれるような

基礎的な知識や技術もないまったくの素人は、

さすがに

何もわからない状態で

服をつくれるわけがないですよね

 

という意見がもっともなのも確かで

わたしも実際、、 ずっとそう思っていた。

 

しかし、 こういった服づくりに纏わる

既成概念

 

ひとりぼっちの洋裁独学者にとっては、

ときとして、

 

いらない障壁になる

 

実際によく耳にするのは

 

初心者はまず、シンプルな服からつくりはじめるべき

ひとりでシャツを作れるようになれば一人前

 

のような、

 

服づくりのを学ぶ道程には

正解がある

かのようにみえてしまうところである

 

ひとりぼっちの洋裁独学者は

この正解にふりまわせられがちだが

正解は、あったとしても

 

独学者は正解に追随しなくてもいいような気がする。

それよりも、もっと大事なことは、

 

つくりたいものをつくる気にさせてくれる洋裁本に出会うこと

なのではないか。

 

 

洋裁百科

 

教科書を離れて2冊目に購入した洋裁本は、

洋裁百科という、

 

教科書と市販のマニュアル本との中間に位置づけられるような

ひと昔前の洋裁本

 

これが、 思いの他非常に、とっつきやすい

 

1960年代に出版された洋裁百科

 

出版年代から想像すると

衣食住の衣の自給を目的とした人々に向けられた、 教養本という感じで

ひと昔前、まだ服の供給を家庭内でまかなっていた時代、

 

趣味の服作りではなく

実用のための服作りを担う人々

自ら、原型から製図し、デザインをおこし、 縫製しなければならなかった

 

このように、素人が、 いちから、本格的に服をつくらなくてはならない、

言い換えれば

 

ひとりぼっちで洋裁を独学しなければならないとき

本当に役に立つ洋裁本というのはこうゆうものかと、唸らせてくれる

 

製図のステップにフォーカスされたペ ージは、数十ページにわたり、

そのステップごとに、 どこにどれぐらいの長さの線を、どのように引くべきか

を、 イラストと文言で

完結に説明している。

 

洋裁百科の製図を説明したページ

 

 

白黒イラストと文言だけの洋裁本

 

また、白黒イラストと文言だけの洋裁本

という点に注目してみると

 

このシンプルさが、独学での洋裁技術習得にかなり貢献していることがわかった

 

白黒イラストと文言だけの洋裁本は、

 

イラストをじっくりみて、 こうか、ああかと、頭と手を動かしながら、

様々な角度から

作業を眺め渡すことができる

 

また、 文言は

理解するまでにある程度の時間を要するので

 

動画のように、同時進行せざるおえない作業とは違い

 

自分のペースを確実に保持できる

 

特に独学の場合

曖昧さを含んだコンテクストで学ぶことで

 

想像する隙間や失敗する余地ができるので

 

逆説的ではあるが、

 

上達につながりやすい

 

しかし、 洋裁の上達を独学者自身が位置づけるのは

なかなか難しい

 

そこでさがしだしたのが3冊目の洋裁本で

 

洋裁の上達を可視化できる,

完結型の洋裁本

 

はないかと考えた

また、 洋裁百科の内容を補足してくれる

 

プロフェッショナルな

知識や技術

 

なるべく具体的に学べる

洋裁本

というのも魅力的だった

 

特に、独学者にとっては

知識や技術、

現場で玄人がおしえてくれるような少し手の届かなそうなレベルのことが学べたらいい

 

 

コートの本

 

この3冊目の洋裁本は

そういった意味で独学者や初心者の目線に立ちながら、

本格的な技術や知識を、学べる

 

稀有な洋裁本だ。

 

ささはらのりこのコートの本

 

完結型である洋裁本であるのは表紙でわかるように

 

1着のコートを完成させることができる

 

そして、 1着のコートを完成させるまでの

87ステップ!が

ひと目でわかりやすいように

 

コマ割りの写真と、テキスト

かなり細かく

記されている

 

コマ割りの写真

だと、作業の連続性を

ひと目で見ることができる

 

洋裁百科では、主にイラストで製図を学ぶ利点を記したが、

ここでは、

技術を写真で学ぶ利点を享受することができる

 

ミリ単位で指示された技術は、

写真で、 じっくり確認できるので

否応なしに、細かい技術を学ぶことができる

 

動画で学ぶ技術と違い

写真で学ぶ技術は、限定された頃目だけを目にすることになるけれど、

これも独学では、功を奏すところで

イメージとしての写真と、イメージに紐づけられた手作業が

記憶に深く結びついて、

洋裁の技術だけでなくその先の

 

いつか自分で服をデザインするときの

イメージストックになったりする

 

 

まとめ

 

このように、 イラスト、写真、テキストなどを駆使した

洋裁本の発掘は

ひとりぼっちの洋裁独学者にとって

もはや洋裁独学の一部を成しているといえる