洋裁独学の出発
出発は、
中古ミシン一台と
蚤の市で買った布と
裁断バサミ
というひとりぼっちの洋裁独学者は
なにから学びはじめるべきなのか
学校や通信教育なしで
洋裁を本格的に学ぼうと思った場合
一体
なにからはじめたらいいか
この疑問は
長い間
ひとりぼっちの独学者の
わたし自身が
抱いていた疑問です
なにからはじめたらいいか
には
こんなニュアンスも含まれています
なにからはじめたら
- 正しい順序で
- 楽しく
- 技術も知識も習得できて
- 成長を感じられる
学び方ができるか
誰かから与えられるものをこなすだけの
学びではなくて
自発的に
創造のよろこびを
感じながら
学ぶには
なにを
たよりにしたら
いいのか
さっそく最初に始めたこと
一番最初にやったことは
型紙を買って
説明通りに
裁断して
縫って
一着服をつくることでした
なにをつくったかは覚えていません
すぐに簡単につくれる服だったと思います
型紙を買って
その通りに
服をつくる
わからない部分は
細かく説明されている
ネットの記事や動画を参考にして
とにかく完成させるのを目標に
手を動かす
しかし
独学であるほど
欲深くなってしまうのは
どうしてでしょう
あれ、この型紙
自分でつくれないの?
という
もっと自分でやりたい欲が
生れてきてしまったの
です
型紙を自分でつくりたい→型紙製図を学ぶ
製図というのは
型紙用紙に線を引くことだ!
という意気込みで
製図を学べる本を買おうと思い
いろいろ調べていくと
行き当たったのは
学校の教科書でした
教科書は
スカート
パンツ
コート
ドレス
という風に
つくるものに焦点を置いて
一冊ずつ完結しているものが
多い印象です
もちろん、
どれも作りたかったら
全冊購入して
1ページ目からはじめ
指示されている通りに
すすめていけばいいのですが
超超超初心者
と頭を抱えている者には
いきなり教科書は
ボキャブラリーが足りず
理解に苦労
その上
堅苦しい
というのが個人的な
感想でした
堅苦しくて
むずかしければ
なかなかモチベーションも
ついてこない
もちろん
教科書が指示している通りに
線を引くことはできる
けれど
今引いた線は
なんのための線なのか
この線は
体のどこの部分にあたる
線を示しているのか
そのような
製図の基礎概念を
完全無視して
ただ
線を引くことになってしまいます
製図はプロセス
製図は紙とえんぴつと定規があれば
できます
作業自体は
誰でもできることです
しかし
製図には
プロセス
があります
この
プロセス
は
初心者が
なにを
どこから
学んでいけばいいのか
という疑問を前提に
組まれている
プロセスです
わたしがこのプロセスの大切さを
学んだのは
洋裁百科から
でした
この洋裁百科は
なんにもわからないひとが
たったひとりで
時間をかけて
順序を守って
学んでいくこと
をモットーに
プロセスが組まれて
います
このモットーが
1巻の
1ページ目で
宣言されていました
あなたにあった、抱負や目標を持ちましょう。あなたが抱いた最初の情熱を絶やさずに、このメソッドを学んでいくことができるように。
メソッドの練習の項目はすべて実践するように努めましょう。あなたにとってそれが、どんなに簡単なようにみえたとしても。
1、2週間の間で、2時間~4時間続けて時間をとる日を決めましょう。分散して時間をとるよりも、より継続的な時間の中で行う仕事の方が、向上をもたらします。
自分自身の型紙を引く前に、テストを実践しましょう。そして、何度も練習をしましょう。自身でつくったものを批評的に見て、修正しましょう。
本の章を飛ばすことは避けましょう。わたしたちのメソッドは、型紙の製図や縫製の過程で起こりえる様々な問題に向き合い、あなたが解決する手段を身に付けることを目的としています。このメソッドはすぐに服を完成させてあなた自身に着てもらうことだけを目的としているのではありません。
大事なことは、縫製の知識を身に付け、技術を備えること。
より専念すること。あなたの制作したものの仕上がりに気を配りましょう。自分自身に問いかけましょう、「最大限の力を発揮したか?」と。
翌日にもう一度、昨日制作したものを、見返しましょう。
けっこうな意気込みが伝わってきます
上の宣言文で、
本の章を飛ばすのはやめましょう
と言っていますが
これは言い換えれば
示されている道筋を
先回りせずに
その通りに辿りましょう
ということになります
これは、
原型製図を経て
原型展開を学ぶ
という超、基本的なことを
示唆しています
この洋裁百科は
1~6巻まであり
全12項目で
構成されています
特に最初の1、2巻で
なにからはじめているのか
この
なにからはじめて
いるのか
がわかれば、
ひとりぼっちの洋裁独学者が
まず最初にやるべきこととその道筋が
なんとなく、
ぼんやり浮かんでくるような
気がします
自分の体をつかって原型製図
この洋裁本の1、2巻では
自分の体のサイズを正しく図って
自分の原型を製図する
ということを学びます
では自分の原型というのはなにか
原型というと
なにか
基になる形という
印象ですが
自分の原型
と定義してみると
原型の意味が少し近く
なるような気がします
自分の原型
自分の原型を型紙にして
服をつくったとすると
どうなるでしょうか
その服は
体にぴったりで
張り付いているかのように
隙間がありません
わたしがはじめて自分の原型を製図して
それを型紙として布を裁断し
縫い合わせて着てみたら
その服は
体にぴったりと張り付いて
脇にも
肩にも
隙間がありませんでした
ああ
原型を着ると
感覚だな
そんなことも
思いました
ころもというのは
揚げ物のころもを想像して
でてきた言葉です
なすの揚げ物は
内側がなすで
外側がころもです
ころもが
なすをおおっています
ころもは
なすの形の通りに
曲線をつくりながら
なすのすべての面をおおっています
それは
なすが自分の体で
ころもが原型でつくった服だとすると
原型の服は
なすにはりつくころもの
ぴったり感と
よく似ています
とにかくはじめよう、自分の体をつかって
まず自分の体をつかって
自分の体をを正しく測り
自分ぴったりの服(原型)をつくること
これが
洋裁独学を本格的に始めた
最近の
やってみていることの
ひとつ
です