服作りを独学で初めてもう2年が経ってしまった。
これを機に、服をつくろうと思い始めてから今までの経験の中での山と谷、そこからUpcyclingまでの道のりを、忘れないように、書いてみたいと思います。
はじめてみるにも道具と機械が必要
服を作ってみようと思い始めて、まず、はじめに、道具を揃えるのが、けっこう地味に、というか、あまりに限られた予算だったので、大変だった。
小さな道具(はさみ、糸、定規、チャコ、etc…)から始まって、絶対不可欠な機械の購入。ミシン、アイロン、ロックミシンの、三台を新品で購入するなど、わたしには論外であったため、早々と、すべて中古で購入案を模索しはじめた。
ロックミシン
中古市場を駆けまわって、やっと手に入れたものの中で一番の出費はやはりロックミシンだった。
電動ミシン
ミシンは60年代製のSINGER電動ミシンを、50ユーロで購入した。
数か月後に、動かなくなって、2回修理に出し、その後さらに水平送りカムという部品を購入して取り替えたので、結局、ミシン本体の3倍の費用を費やしてしてしまった。
ミシンは車と同じ
古い車は、どんなに車体が好みでも、どんなに丈夫な内部構造になっていても、ある日突然、なんの前触れもなく、動かなくなることがある。ミシンもまったく同じだった。
壊れたら、目の前で絶望しているヒマなどないのであって(素人ほやほやのやるきだけはみなぎっていた)誰かの手で直してもらうか、自分で直すしかない…
修理代、いたでだなあ。
修理するって、どうやって?
服作りさえはじめていないのに、もういばらの道に入ってしまった自分は、なんて惨めなのだろう。
そして、わたしは、最初の2回以降、予算が底をつきたため、自分で修理することとなった…。
思いがけない修理体験で得た洋裁の知識
ミシンの内部構造が部品単位で細かく記されている概要機構という資料を
でダウンロードして、分解する前に全体把握をしてから、いざ、分解。
分解してから、正常に動いていないと思うところをひとつひとつチェックしていくと。すると、
どこかしらの部品が、消耗しているか
糸くずやほこりがつまっているか
油がたりてないか
のいずれかの結論に行き当たって、そこから、部品や油の購入につながった。
おかげでミシンの内部を、目に焼き付けられるいい機会になり、ミシンの動作を理解するうってつけの機会になった。
中古ミシンの購入の利点
車と同じで、70年代以降のものだったら、古い型番でも、たいていの場合、ネットで、新品の部品が手に入るので、一度修理に馴れてしまえば、長くミシンを利用できる。
90年代前の大手ブランドのミシンは部品や外枠に良質な鉄素材が多く使われているので、動かなくなっても、たいていの場合、モーターか、消耗部品の修理だけで済む。
例えばこれが、近年のコンピューターミシンの場合だと修理がもっと複雑になってくるだろう。
オリジナル型紙製作へ
オリジナル型紙をつくろうと思ったときに、一番最初にやっておきたかったこと
オリジナル型紙をつくりたいと思うきっかけはいろいろあるだろう。
自分のオリジナルのデザインが服になるから
市販の型紙が、自分の体形にフィットしないから
あり型を展開して、バリエーションを増やしたいから、
などなど。
上のようなポジティブな意欲からだったら気持ち的にもよかったのだが、またまた、いばら道に導びかれて、型紙製作をすることになった。
今回のイバラの発端は生地である。
欲しい生地が高い
道具をそろえてミシンも修理して、型紙もほぼできて、さあ!生地を買おう!
と思ったら…
欲しい生地がどれも高い…
ミシンのときも、こんなことで出鼻をくじかれたのだったっけ。
ということで、こちらも中古市場を駆け回ることになった。しかし、いばらの道には、ひょんな出会いというのもある。
UPCYCLING
このような経緯でUPCYCLINGという言葉を知ることになった。
アップサイクリング(Upcycling)は創造的再利用とも呼ばれ副産物、廃棄物、役に立たないまたは不要な製品を、より良い品質と環境価値の新しい材料または製品に変換するプロセスである。
アップサイクリングはリサイクルプロセスのもう1つの側面であるダウンサイクリングの逆の意味の言葉である。 ダウンサイクリングには材料と製品をより低品質の新しい材料に変換することを含んでいる。 ほとんどのリサイクルでは、製品を原料に変換したり、取り出すことで別の製品または材料にする。ふるい肌着を雑巾にしたり、古新聞、古雑誌を再生紙にしたりするのは、元のものよりも価値や質が下がり、いずれはごみになって廃棄されることになり、継続性がない。 [1]
アップサイクリングとダウンサイクリングの用語が最初に使われたのは、ライナー・ピルツ(Rainer Pilz)を引用したソーントン・ケイ(Thornton Kay)によるSalvo NEWSのNo.99、1994年10月11日の記事である
出典:
やっと服作りを始めることができたのに、予算に合う好きな生地がみつからない、あっても、数メートルしか購入できない、という事態に陥ったわたしは、そのことでやる気や楽しさを見失いそうになっていた。
上のUPCYCLINGの考え方は人によって様々な見方があるので、見る人から見れば、漠然とした理念にすぎないだろうけれど、
単純に、生地は生地屋さんで購入するのだ、と思っていたわたしにとっては、選択肢をあたえてくれるポジティブな言葉だった。
はぎれとあまり布
発端は生地屋さんの新品な布をあきらめたことだったけれど、今では蚤の市やフリーマーケットで売られているあまり布やはぎれの魅力にすっかりはまってしまった。
地直しや漂白をしっかりすればどんどんつかいたい、という当初は考えていなかった思索を生むこととなった。
デザインも型紙も決めないで、ただ好きな布をさがしにいくのは、とても楽しい。
今やカーテンや布団にも目が行くようになって、あまり暴走しないように気を付けている。
型紙製作の必要性
こうしてやっと、作りたいと思う生地が手に入った
ポケットだけに使える小さな生地も、ロール買いできた、重たい生地も、これらを生かせるデザインの型紙が必要だ。
これがわたしのオリジナル型紙製作の入り口だった。
生地をどう無駄にしないように使えるかはもちろんだが、意外な柄の組み合わせのデザインや、素材の違う柄の組み合わせへ挑戦することもできるから、それは練習として上達への道にも少なからず役立つだろう…きっと。いばら道はまだ続く